コラム

コロナ逆境を味方につけたオンライン秘書『nene』。海外在住日本人の雇用へ

新型コロナウイルス感染症拡大で急速に進んだ在宅ワーク。Wizでも雇用体制を見直し在宅社員の採用を図ってきました。
 
その中で、今、オンライン秘書事業を展開する事業部『nene』が好調です。積極的に転職市場にモーションをかけ、在宅社員を含め国内外から優秀な人材を確保。そして良質な秘書業務を日本の各企業に届けています。
 
今回、このコロナ禍で、どのようにして組織をつくり、人材強化を図ってきたかのか、『nene』の責任者・中鉢さんに話をうかがいながら、当事業の“今”に迫ってみます。

Wiz社における在宅ワークの現状

2020年12月、Wiz社では「在宅勤務に関するアンケート調査」を実施。425人(在宅勤務選択型社員390人/完全在宅社員35人)の社員から、以下のような調査結果が出ました。


・在宅勤務による自身の業務について「支障はない」78.2%
・在宅勤務による人事評価について「不安はない」「あまり不安はない」65.2%
・在宅勤務に移行したことでストレスが「出勤時より減った」「出勤時よりやや減った」60.3%
・完全在宅社員に向けたアンケートで「完全在宅社員の環境に満足している」88.6%
・制度拡充について希望数最多は「通信費や光熱費の補助」

 
■詳しくはこちら
ITの総合商社Wiz、「在宅勤務に関するアンケート調査」を実施
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000191.000016549.html
 
アンケートの結果報告では、半数以上が在宅勤務という働き方に肯定的である一方、「業務への支障」についてはコミュニケーションの問題が上がっており、社員同士の繋がりを感じられる環境づくりが今後も必要ということがわかりました。

『nene』が見せるコミュニケーションの在り方

上記のアンケート内容とは異なり、コミュニケーション問題を解消しながら、うまくチーム連携を取っているのが『nene』。
『nene』の責任者・中鉢さんは、コミュニケーションの問題点を改善する策として、次のように伝えています。

「オンライン業務をマネジメントするにあたって、コミュニケーションの点はかなり意識してきました。この時代だからこそ、心身ともに細かく丁寧に見ることが必要不可欠です。出社後は朝礼を行い体調面を注視し、退勤前は不安に思っていることや改善点などについての考えを日報に吐き出しもらい、メンタル面のケアを行っています。」(中鉢さん)

心と体に寄り添った報告・連絡・相談を徹底させつつ、カメラでの顔出しについては個々にお任せしていると言います。

「カメラは見られている感覚が強いものなんですよね。リアルなオフィスにはない圧迫感があります。そこにストレスを感じてしまっては意味がない…。『nene』はチャット業務をはじめ、個々の実働内容がリアルタイムで見えるので、カメラについては強要しないようにしました。管理者として社員を信頼しお任せしているというパフォーマンスを見せることで、良好な関係性を築けていると感じています。」(中鉢さん)

『nene』の事業内容

『nene』は、2020年の4月に誕生した新しい事業部。働き方改革、労働者不足、業務効率化など、さまざまな側面から日本中の企業を支えていきたいという想いのもと立ち上がりました。名前の由来は、戦国時代の出世頭、豊臣秀吉の正室“寧々”。内助の功として世に影響を与えた唯一無二の成功者・“寧々”のように、当事業も日本企業の縁の下の力持ちでありたいという願いが込められています。
事業の軸は、

①チャット代行
②SNS代行
③秘書代行

チャット代行は、サイト内に寄せられるユーザーからの問合せをチャット上で対応します。代理店として請け負うドコモ光どこよりもWiFiなど、27メディア、20社(※2021年2月時点)を担当しており、事業の中核を担う業務へと成長しています。
また有人チャットを起用しており、「AIではない人による機転の効いたスピーディな対応」と評価も高いです。
SNS代行は集客や情報発信など企業のSNS運用を代わって進める、最近スタートしたばかりの業務。
そして、秘書代行は、リサーチ業務をはじめ、メール対応、電話対応、スケジュール管理、データ入力、採用代行などを担う、バックオフィス全般をサポートする業務です。

「特に有人チャットについては、おかげさまでご好評いただいております。トークマニュアルを用意した上で従業員のみなさんには、“単なるチャット対応ではなく対面接客ということを意識してほしい”と伝えています。オンラインで成功するためには、イマジネーションと気配りが最も必要だなと感じているところです。neneスタッフは、チャットの向こう側のお客様を想い、先手先手で対応できるよう教育しています。」(中鉢さん)

拠点は、宮崎県(本社)と東京都。従業員数76名(男女比 男性2:女性8 ※2021年2月時点)、その内、在宅社員(業務委託含む)は38名と半数を占めます。
各地のneneスタッフそれぞれが自宅で対面接客という意識を持って、オンライン秘書業務に専念しているというわけなのです。

海外在住日本人を巻き込んだ事業へ

在宅ワーカーを少しずつ増員させてきた当事業ですが、人材面での特徴的な施策として、海外在住日本人スタッフの起用が挙げられます。

実は昨夏に、アメリカ・コネチカット州に住む元Wiz社の従業員から「バイトを掛け持ちしながら仕事はできているが、コロナ禍ということもあり在宅での仕事に興味がある!」という声が寄せられました。そこで『nene』は、世界中で猛威を振る新型コロナウイルスに対して、一つの安心を提供する意味で、海外に住む日本人の採用に踏み切ることにしたのです。

「正直、海外在住の日本人のことまで想像できていませんでしたね。こんな状況下でも仕事に意欲的な元社員の姿を知って、これからもっと外からの目線やポジティブな思考を取り入れて、社会全体を盛り上げなければ!そう感じました。そして早急に起用へと動き出したんです。」(中鉢さん)

また当時を振り返り、「新たな光を見出した」とも言っています。

「起用後、すぐにピンッときたことがあります。それは“時差活用”です。『nene』の主軸、有人チャット業務は24時間体制で、お客様の抱える課題・ヘルプに迅速にお応えしたいと思っていました。海外のスタッフを入れると稼働時間に幅ができてそれが可能になる!未曾有の事態でしたが、ここで本事業における新しい光を見出しましたね。」(中鉢さん)

オンラインの世の中になったからこそ、日本に固執する必要がないとひらめいた中鉢さんは、2人目の日本人海外スタッフを起用。
現在、アメリカとイタリアの海外スタッフを2名抱え、24時間対応に向けた稼働体制を整え始めています。

「イタリアの従業員は8時間の時差を活用して、日本時間の18時から稼働していただいています。アメリカは半日以上時差があるので、まさに日本の深夜帯をカバーしてくれていることになります。ありがたいですよね」(中鉢さん)

優秀な人材の囲い込みに成功

新型コロナウイルスの問題が長引き、有効求人倍率の急低下や完全失業率も過去に例を見ない数字が出ていますが、そこを契機と捉えたのが『nene』です。中鉢さんは雇用環境の悪化は逆にチャンスだったと話します。

「海外スタッフしかり求職者からの意見というのは大変貴重でした。採用活動をしていくと、見通しのつかない将来を考え、働き方を見直そうとする方が多くいらっしゃったんですね。先を読む力を持つ優秀な方々が転職市場に集まり始め、未来に対する意見や考え方を聞いたとき、これはリソース発掘のチャンスだと考えました。」(中鉢さん)

また、求めていた人材確保は事業を展開する上で欠かせなかったといいます。

「企業側の社員に代わって業務にあたるわけですから、要求される内容に、スピード、正確性、柔軟性などの能力は必須スキルになります。さらに任されているという意識を持つことも重要。こうして企業様に良質な業務を提供できているのも、優秀な人材を確保できたからだと感じています。」(中鉢)

どの企業も逼迫した状況が続き人件費を掛けられない分、どのように業務効率化をしコスト削減をしていくかが問われる時代になった今、『nene』の存在は大きくなっています。
段階的に24時間体制を整えていき、さらに業務に奥行が増すと考えると、事業展開の可能性が一気に広がるのではないでしょうか。

さいごに

これまでとは違うワークスタイルを探す求職者、人件費を抑え業務効率化を図りたい企業、それらの需要にカチッとはまった『nene』。コロナ逆境を味方につけ、人材という資産を増やした上でハイクオリティなサービス、そして実績を着実に積み上げてきています。さらに、オンラインの急速な普及を追い風に、数年前まで叫ばれていたグローバル化とはまた異なる、新しい海外とのビジネスモデルも実現させました。
 
今まさに、当事業はこの時代に求められています。今後、縁の下の力持ちだけでなく、ニューノーマルを創造する『nene』の秘めたる力・可能性に期待していきたいです。

 
■nene公式サイトはこちら
https://ne-ne.net/

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