コラム

ICTとはなに?ICTの基本と、変わるビジネスモデル

前回、WizブログでIoTについて触れました。おさらいするとIoTとは“Internet of Things”の略で、モノがインターネットに繋がることで遠隔操作や、データ蓄積、分析ができ、情報がヒトに帰ってくるということです。
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今回はIoTと同様、最近よく耳にする“ICT”について触れたいと思います。

ICTとは?

ICTの意義

ICTとは、「Information Communication Technology」の略語。直訳すると「情報通信技術」で、ITの間に「Communication」が入っています。これまで普及してきたIT(Information Technology)をどう活かすか、ICTとはその活用に着目する場合に用いられることが多いのです。

国際的には既に「IT」ではなく「ICT」の方が一般的に使われています。総務省は「IT政策大綱」を2004年に「ICT政策大綱」と名称変更をしており、多くの企業や団体でもサービスをITからICTへと移行させています。

ICTで何が変わる?

ICTは難しく聞こえるかもしれないですが、既にICTを利用したサービスは私たちの日常生活に広く普及しています。
例えばeコマースもその一つ。皆さんもAmazonや楽天などのサイトを利用して買い物をした経験が一度はあるかと思います。これまでお店に行って並んでいる商品を選ばなければ商品を買うことができませんでしたが、今では欲しいものを検索してクリック一つで家まで届けてくれます。これがまさにICTの活用なのです。

では、このほかの具体的なICTサービスはどんなものがあるのか見ていきましょう。

高齢者向けサービスの効果

高齢の両親と一緒に暮らしたいけど暮らせない、そんな家族のための「高齢者見守りサービス」もその一つ。
高齢者の見守りサービスは年々多様化してきました。
例えば、センサー型。家の中で高齢者が必ず通る場所(トイレなど)にセンサーを設置し、一定時間動きが無い場合は異常信号を送信するといったサービスがあります。
また、電気やガスの使用量や使用状況から生活リズムを解析し、異常があれば指定の連絡先に自動的に通報する光熱使用確認システムなどがあります。食事のしたくや入浴などのパターンがいつも通りではなかった時、対象者に何かあったのではと推測することができるのです。
このほかセンサー、カメラ、マイク、スピーカー、アンテナを搭載したロボットが、対象者の様子をメールや音声、映像で知らせてくれるサービスなどもあり、あらゆるものに通信機能を持たせることでお年寄りの安全な生活を見守ることができるのです。

最近ではインターネットを使った、趣味やサークル活動に参加し、お年寄り自身がICTを活用してコミュニティーの輪を広げているケースも増えてきているそうです。

教育や保育の現場での活用

教育の現場でもICTが活用されています。
その一つが、デジタル教科書の使用。最近では小学校でパソコンやPadなど情報端末を使いながら授業を行うことも珍しくなくなってきました。
全員で同じ画面を見ながら学習することで、授業に一体感が生まれ、なおかつ書きこんだり話し合ったりと想像を広げる効果も期待でき、授業の充実が期待できます。

インターネットを使用するので、自主的に調べて興味のあることを追求していくなどアクティブラーニング型ツールとしても期待ができます。
またアプリを導入することで、学校の情報を児童(生徒)の家族と共有できたり、子どもたちに資料を共有して即時集計や宿題の配信、一人ひとりのカルテを作って保護者面談時に結果を連携したりすることも可能になり、教師たちの手間も軽減できます。

保育士や幼稚園教諭のためのICTアプリも話題になってきています。

例えば、こちらのCoDMON(コドモン)というアプリは、保護者連絡・園児管理・写真販売・登降園管理・指導案や日誌作成の機能がひとつになっているもので、忙しい保育士・幼稚園教諭の負担を減らす仕組みになっています。
保護者はアプリをダウンロードしたら、それぞれのアカウントを発行しマイページを持つことができます。
マイページでは園からのお知らせ投稿が、保護者のマイページのタイムラインに表示され、園からの連絡帳などもデータとして確認することができます。
マイページのアカウント情報を保護者間で共有することで、子供たちが園でどんな活動をしていたのかを共有することもできます。


※参考ICTキッズ

医療・介護の現場が変わる

医療の現場では、たとえば電子カルテを用いて、病院の各部門と連携がとれたり、医師の業務効率が上がったりすることで患者へのサービス向上が期待されています。
また医療の現場は、医師のほかにも、看護師、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカーなど連携・協働して患者のケアに当たっています。電子カルテをネットワークにつなぐことで病院や薬局、介護施設、在宅ケアなど、地域に分散している診療情報を共有することができます。診療情報のほか、お薬情報やレントゲン画像なども共有でき、患者さんは病院を変えるたびに検査をする手間も費用もかからずスムーズに診療が受けられることになりますし、訪問診療の際にも活用できるので在宅ケアにも有効です。



農業の仕事が変わる

経験や勘を頼りに品質や収穫量を管理していた農業もICTを活用することでより正確に、計画的に栽培を管理することができると言われています。
例えば、環境測定装置などを用いて、温度、湿度、日射、CO2濃度などを記録する装置でデータを蓄積し、過去のデータと比較することで環境と収穫量、品質の因果関係を見出すことができます。
さらに、ハウス内や農場に設置した灌水装置(水が出るチューブ)を動かす時間や環境の設定をすれば、遠隔で管理ができます。天候によって出来が左右されてしまうため常に食物の観察が必要で、気が抜けなかった農家の仕事にも変革が起こるかもしれません。

ICTのこれから

ICTは、国家的な戦略として推進されているため、今後も普及は加速していくものと思われます。
国際電気通信連合(ITU)によると、固定電話・移動電話の普及率、インターネット利用者の通信速度、PCの所有台数、そして情報リテラシーなどのICTスキルを持った人の数などを指標(ICT Development Index= IDI)として計算したICTの普及率を国別に見ると、1位は韓国、2位はアイスランド、3位はデンマーク…日本は10位となっています。※アメリカは15位


※参考 国際電気通信連合(ITU

ICTはこれまで情報処理技術が発展し、ビッグデータ・クラウドが事業の中心とって商品やサービス開発が進められてきました。近年では人工知能研究も加速しているため、人工知能やセンサー機能、IoTの普及も手伝って、ますますビジネスや事業の高度化、ライフスタイルの変革が起こってくることでしょう。

さいごに

世界最先端のIT国家となることを目標とし、高速インターネットを普及させるための技術やインフラ整備を重要視した日本ですが、今後はそれをいかに活用していくかというところが重点に置かれるようになりました。今後もICTは様々な形で私たちの生活にかかわっていくことでしょう。そのキーとなるのが、インターネット環境やWiFi環境です。時代の波に乗り遅れないよう、しっかり準備しておきましょう。

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